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家事好き“主夫”が日常に溢れる、素敵な「モノ・コト」をご紹介!

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小笠原ひとり旅〜硫黄島周遊編

おがさわら丸父島南島と書いてきた小笠原旅行は今回で最終回になります。最終回はおがさわら丸で行った硫黄3島クルーズについてです。

 

 

硫黄三島クルーズについて

硫黄島はご存じの方も多いと思いますが、その北には北硫黄島、南には南硫黄島という無人島があるんです。

クルーズではその3島を巡ることができます。

 

実は硫黄島におがさわら丸が行くのは年に1便限り!

それ以外には定期的に行く船もないので、かなりレアなツアーなんです!

なので、当日の天候や仕事などの個人的な都合を振り返ってみても、今回硫黄島に行けたのはかなり運が良かったなーと思ってます。

ちなみに「行く」と言っても上陸することはできず、あくまで「見に行く」だけです。それでも行ってみたいほど、惹かれる場所。その魅力を少しでもお伝えできればと思います!

 

硫黄島は父島からさらに300キロ程離れた場所にあるため、往復するのに1日を要します。竹芝から丸1日かけて父島に到着して、その日の夜にはもう硫黄島へと向けて出発!というスケジュールでした(夜は船で寝ます)。

 

船が通ったルートは↓こんな感じです。

 

 

最初に訪れる南硫黄島へは長い長い道のりですが、心配無用です。

向かっている途中は硫黄島に関する講演会や写真の展示を見たりして過ごしたり、就寝前には船のデッキに上がり、ガイドさんが星空の説明してくれたりします。今回は天候に恵まれていたので、文字通り満天でした!最高にキレイな星空でしたよ〜

 

それではここからは各島についてご紹介!

南硫黄島

父島を18時に出発して、約11時間後ーーーー

朝5時頃、ようやく目的の南硫黄島が姿を現しました。まだ朝靄の掛かる中、遠くにうっすらと見える島は何とも神秘的です。

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近づくにつれて日も上がり島の様子がはっきり見えてきました。

標高は916m。南硫黄島は可愛らしい三角をしています。

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この島はこれまでに人が定住したことがなく、ほぼ人類未踏の地。まさに絶海の孤島です。

 

数人の漂流者が行き着いて救助まで滞在したという記録はあるそうです。今は「原生自然環境保全地域」のため、島全体の立ち入りが禁止となっています。調査などのために特別な許可を得た場合以外は立ち入ることはできません。

 

ツアーには調査で南硫黄島に上陸したことがある方が何名か参加されていました。船内で行われた講演会ではその時の調査での裏話などを聞くこともできました。(貴重…!)

ちなみに、最近の調査は2007年、2017年に行われ、新種の貝類などが複数発見されているそうですよ!

 

こちらは島の北西部にある三星岩。

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南硫黄島はぐるっと2周まわり、その貴重な姿をじっくりと見ることができます。

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後ろ髪を引かれながら、次の目的地に向かいます。

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硫黄島

南硫黄島を離れて向かうのが「硫黄島」。

朝8時半ぐらいに硫黄島付近に到着し、ここでは島を1周します。

 

硫黄島の全景

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硫黄島は太平洋戦争の激戦地としての印象が強いと思います。「硫黄島からの手紙」や「父親たちの星条旗」の舞台にもなっていますね。

戦前は集落や学校もあり多くの人が生活をしていましたが、今は民間人の上陸が基本的に禁止されています。

 

島には常に数十人の自衛隊員が常駐しているそうです。

硫黄島に常駐する自衛隊の役割のひとつに、小笠原で発生した急病人の搬送があります。

小笠原の各島には空港がなく飛行機での搬送ができません。そのため、緊急時は硫黄島から急病人の発生した場合は島にヘリを飛ばす→硫黄島まで運ぶ→そこから飛行機で東京へ搬送、となるそうです。

 
そういえば!島周辺ではdocomo、softbankの電波があるんです!自衛隊の方が常駐しているためなのですが、絶海の孤島で通信が可能ということに個人的には驚きでした。

 
島の周囲を回っているといくつかの自衛隊の施設や戦争の爪痕と思われる場所が確認できます。

 

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また、蒸気が噴出しているところもいくつか確認でき、火山活動が活発な様子もよく分かりました。 

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船内アナウンスではこういった島から見える風景について詳しく説明をしてくれます。

 

こちらは摺鉢山

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硫黄島を一周して離れるときには、全員で献花を行い、長い汽笛のなか黙祷します。この島でかつて起こった出来事について考えていると自然と涙が流れます。

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北硫黄島

硫黄島を出発して最後に向かうのが「北硫黄島」。

ここでは島の周りを2周します。

 

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一見すると南硫黄島とそんなに変わらないように見えますが、実際には南北に長い楕円形をしています。

 

驚いたことに、この島は人が定住していたことがあるそうです。かつては2つの集落があり、学校もあって、子供が海岸沿いや山越えをして学校まで通ったそうなんです。その場所を教えてもらったのですが、とても住めるような広い平地はなさそうに見えました。

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 かつての住人のものなのか、漂流者のものなのか分からない船が見えました。

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北硫黄島を回っているときにイルカが並走してくれました。5分ぐらいは並走していたと思います。サービス精神旺盛!

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北硫黄島を一周したところで硫黄島クルーズはいよいよ終盤。父島に向かって出発です。

 

帰路

帰りは寂しい気持ちになりますが、まだ楽しみが残っています。

 

ひとつは今回のクルーズの振り返り。

同乗していた解説員の方がそのツアーで撮った鳥やイルカの写真を見ながら解説してくれます。それ以外にも、過去に硫黄島に上陸したときのお話や当時の貴重な写真も公開してくれました。

 

もうひとつ貴重なのが、母島列島を南〜東側の海上から見られることです。

(マニアックですみません。笑)

父島と母島を結ぶ「ははじま丸」は島の西側に航路を取ります。そのため通常こちら側から母島列島を見ることはできません。

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解説員の方によると、普段見られない景色が見られるように、小笠原海運さんがあえてこの航路をとってくれているのでは、と言うことでした。

そういう細かい部分も参加者として嬉しいポイント。最後まで楽しませてくれます。

 

母島を通過するとまもなく硫黄島の旅もおしまいです。

貴重な体験続きの旅だったと改めて実感しました。

 

 

さてさて。小笠原についての記事もこれにて終了です。

ブログの4記事だけでは伝えきれない小笠原諸島の魅力はたくさんありますが、これから向かう方、行ってみたいなと興味を持っている方の参考になれたら嬉しいです。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!